道東書院に行く前に・・・
改めて「書院」について調べてみました。
「書院」は李氏朝鮮時代の私学のことで、儒教の講学と祭祀が行われていました。 勉強だけではなく
祭祀が行われていたってことが重要なポイント。 公立学校の「郷校」は「孔子(中国の思想家)」が祀ってあるのに対し、書院は
韓国人の偉大な儒学者が祀られていて、その儒学者にゆかりのある風光明媚な場所に建てられたようです。 道東書院だけでなく、安東の屏山書院や陶山書院なども、自然が豊かで人里離れたところにありますよね。 書院で学ぶことができたのは両斑と一部の金持ちの子弟だけ。 こんな山奥で儒学生たちはいったいどのように暮らしていたのかな~?と思いをはせてしまいます。
さて、道東書院に戻ります。
儒学者金宏弼(キム・グェンピル)を祀る道東書院は、1568年ピスル山の麓に建てられましたが、壬辰の乱で焼失、1607年に現在の場所に再建されました。
とても素朴なんですが、建築物としての価値や美しさはとても高く評価されています。 それではさっそく見てみましょう!
まずは道東書院の正門というべき水月樓(スウォルル) 儒学生たちの憩いの場、購読空間でもありました。
今は銀杏で見えませんが、ここから見える洛東江(ナクトンガン)や平野の景色。 絶景なんでしょうね~。
喚主門(ハンジュムン) 腰をかがめて入らなければならないほど小さな門です。 自然と頭を下げ謙虚な気持ちでくぐるよう、あえて低く造られています。
喚主門には細かい細工も施されています。 頭上には「満開の花」、足元の石は「つぼみ」が。
その奥には学びの場であった中正堂(チュンジョンダン)。 柱に真っ白な障子紙が張られているのは、太陽や月の光があたった紙が昼夜を問わず光を放ち、洛東江を通る船からもここがわかるように、との配慮から。
「Yuckyさん、ここに玉をくわえた竜がいるのよ!
こんな顔してるんだから!」
とウォンソプオンニ。
もうもう、オンニったらお茶目なんだから。(笑)
ホントだ! 美しい石垣に4頭の竜がいます。 洛東江(ナクトンガン)の水が氾濫しないようにと作られたもの。 ・・・ってことは守り神?
でもよ~く見ると如意宝珠をくわえているのは1頭だけ。 これだけが元々あった本物で、残りの3頭はあとから作られたものだそうです。
このパッチワークのような石塀にはいつも見とれてしまいます。 写真より実物の方がもっともっとキレイなんですよね~。 そして赤い丸の中には花とリスが彫られています。
右側の階段を上って、左側の階段を下がりなさい!と導いています。 上向きのリスは日の出を、下向きのリスは日の入りを象徴しているのだそうです。
中正堂(チュンジョンダン)の右側にある石のテーブルは、2月と8月の祭事の時に豚をのせる牲檀(せいだん)。
祭事に参列された方のブログによると、撲殺される豚の悲鳴がえんえん聞こえたそうで・・・ 撲殺? ううう・・・
そんな話を聞いているうちに、1人の男性が私の前にひょっこりと現れました。
あれ? 私、この人知ってる~!
でも、会ったことはないよなぁ?
なのに、なんで知ってるんだろう!?
(と、かなり自分でも不思議でした 笑)
でも数秒後・・・ わかった~! 某SNSでお友だちになっている解説士さんだ!
顔がわかるように顔本なのか? まぁ、はじめまして~!!
↓ この方です。
ここから解説士のパク・イダル先生の詳しいお話を聞くことができました。 指をさしておられる軒の丸瓦は雄の瓦。
土塀にはめ込まれているのが雌の瓦。 陰陽の調和をとって生命力を吹き込んでいるのだそうです。
そしてこの塀は土と石と瓦で5層になっており、その美しさから国の宝物に指定されています。 土塀が宝物に指定されたのは全国でも初めてなのだそうです。
パク先生を囲んで。(私が上から撮ってます)
「道東書院は大邱で一番古い木造建築物です。 韓国で一番古いのは安東にある屏山書院 (ビョンサンソウォン)。 では日本で一番古い木造建築物は何ですか?」ととても流暢な日本語で。
汗タラリ~ン! 「法隆寺! ・ ・ ・ ですか?
」
「ハイ、そうです」 (あてずっぽ! ヤッタ―!って中学生でも知ってるか?
)
ここの銀杏と同じ年に、日本でも銀杏が植えられました。 その木はどこにあるでしょう?」
答えは写真に出てますね。 へ――――――――――っ!!
再び銀杏をぼんやり眺め・・・
道東書院をあとにしました。
写真はお借りしてます。 左にいるのは丸ちゃんと私。ユネスコの世界遺産に認定されるかも、という話もでています。 私は好きだなぁ道東書院!
道東書院(도동서원)
大邱広域市達城郡求智面道東里35
(대구광역시 달성군 구지면 도동리 35)
道路表記
大邱広域市 達城郡 求智面 求智西路 726
(대구광역시 달성군 구지면 구지서로 726)
053-617-7620 利用時間 3月~9月 10:00~18:00 10月~2月 10:00~17:30
コネスト地図道東書院はとてもいいところなんですが、遠いから行くのが大変!
毎週月曜日に運行しているシティツアーバスを利用するのが一番いいと思います。
でも月曜日だけっちゅうのはちょっと厳しいですね。^^;【シティツアーバス 琵瑟山コース】
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運行コース:半月堂⇒玄風郭氏十二旌閭閣⇒道東書院⇒琵瑟山自然休養林⇒俞致坤将軍護国記念館⇒達城洑⇒半月堂 •
運行時間:月曜日 10:00~16:00(1日1本) •
所要時間:約6時間 •
出発場所:半月堂 現代百貨店横断歩道前 •
料金:大人 5,000ウォン、外国人(宿泊施設の宿泊券所持者)4,000ウォン *シティツアーバスの運行状況は随時変わりますので、HPやインフォメーションセンターでご確認ください。
2016年11月現在は次のようになっています。 ☆HP (⇦クリック)
- 運行時間 09:30 ~ 17:00(1日1回運行)
- 搭乗場所 新南駅2番出口 シティーツアー乗り場(09:30)
- 東大邱シティーツアー乗り場(10:00)
- 運行日程 火、金運行
- 定休日 元旦、秋夕(8月15日)
- 料金:大人 5,000ウォン、外国人(宿泊施設の宿泊券所持者)4,000ウォン
公共の交通機関を利用する場合は・・・
地下鉄1号線の終点大谷(대곡)駅まで行き・・・
【タクシー利用】 乗車時間52分、料金:21,800ウォン (コネスト検索)
【バス利用】
地下鉄大谷駅①出口バス停から達城5(달성5)のバスに乗車
ヒョンブン市外バスターミナル (현풍시외버스터미널)で下車 (1時間)
達城4(달성4)に乗り換えて 道東書院(도동서원)バス停で下車 (45分)
*コネスト検索です。 詳しくはインフォメーションでご確認くださ~い!
金ちゃんさまより情報をいただきました。
テグの西部バスターミナルから、玄風(ヨンプン)行きバス乗車(料金 300-700円) 玄風バスターミナルから、タスシーで5分(料金 約700円、所要時間約1時間) だそうです。
金ちゃんさま、貴重な情報ありがとうございました。